梅雨時期における瞬間接着剤の注意点

梅雨の時期は雨が降り続いたり、ジメジメしていてあまりいいイメージをお持ちでない方も多いのではないでしょうか。実は瞬間接着剤にとってはとても厳しい時期になります。今回はそんな梅雨時期における瞬間接着剤を使用する上での注意点をご紹介します。

梅雨の時期、瞬間接着剤はこうなる

梅雨の時期がなぜ瞬間接着剤に影響するのか、それは雨が降り続いたり、ジメジメしていることが影響します。以前、瞬間接着剤のくっつく仕組みを紹介いたしましたが(記事はこちら)、瞬間接着剤は空気中の湿気に反応して固まります。この空気中の水分が増えることに加え、気温も高くなることで、瞬間接着剤が反応しやすくなります。その結果どうなってしまうのか、
・劣化が速く進む
・固まるスピードが速くなる
・白化現象が起きやすくなる

普段から気を付けないといけませんが、梅雨の時期は特に気を付けないといけません。

劣化が速く進む

瞬間接着剤は劣化が進むと粘度が上がってきます。新品の時はサラサラだった瞬間接着剤もだんだん粘度が上がりいずれ完全に固まってしまいます。特に気温と湿度の高い梅雨の時期は劣化が速く進みます。
見るポイントとしては、サラサラだったものがトロっとしてきますのですぐにわかります。初めから粘度が高く作られている瞬間接着剤もありますが、使った時に糸がひく(キレが悪い)ようになった場合は劣化が進んでいます。
また、劣化し粘度が上がると新品に比べて固まるまでの時間が遅くなります。

使用後はすぐにキャップ(ふた)をしっかり締め、アルミ袋(パウチ袋)がある場合は袋に入れて冷蔵庫等で保管することが瞬間接着剤を長持ちさせるポイントです。
劣化が進むと作業性が悪くなったり、必要な接着強度が得られなくなりますので、新しいものに替えることをおすすめします。

固まるスピードが速くなる

梅雨の時期は気温と湿度が高く、瞬間接着剤が固まる条件が普段より揃っていますので固まるスピードが速くなります。瞬間接着剤は圧着したり、硬化促進剤を使わない限りはすぐには固まりません。ですが、普段と同じように使っていたのに、付けた瞬間接着剤がくっつける前に固まってしまったり、位置合わせをしようと思ったら位置が合う前にくっついてしまった、ということが起こるかもしれませんのでご注意ください。
また、使った後にノズルの先に瞬間接着剤が残っていると、そのまま固まって詰まって出なくなることがあります。ですので、使用後はノズルの先についた瞬間接着剤を拭き取ってからキャップをしてください。特に梅雨の時期は連続で使う場合もこまめに拭き取ってください。

白化現象が起きやすくなる

梅雨の時期は湿度が高いのでくっつけた周りが白くなる白化現象が起きやすくなります。白化現象は固まる前の瞬間接着剤から微量の成分が揮発し、空気中の水分と反応して固まりとして落ちてきます。湿度が低い場合は、空気中での反応が少なくなるため、白化現象は起きにくいです。しかし、湿度が高い場合、反応が増え、多くの固まりが落ちてきますので白化現象が起こりやすくなります。
白化現象については後日、詳しく取り上げることを予定しています。

梅雨の時期はいつも以上に注意が必要

ここまでご紹介したように、梅雨の時期は瞬間接着剤にも影響を与えます。また、雨が降っていたり、クーラーなどを使用する場合は窓を閉めると思いますが、瞬間接着剤を使用する際はしっかり換気をすることも必要ですので注意してください。

梅雨の時期は注意することが多く大変ですが、以上のポイントを押さえて使用してください。

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