炊いたお米はべたべたしていて時間がたつと固くなります。これはまさに接着剤の特徴です。お米に含まれる水分が乾燥し、接着成分(お米の場合はデンプン)が残ってくっつけられます。そして、その仕組みを利用し昔から接着剤として使われています。今回はそんな乾いてくっつく接着剤をご紹介します。
成分が違っても仕組みは同じ
一般的に売られている商品は使いやすさや接着力、保存期間などを考慮して作られた化学合成系接着剤が多くなっています。
これは水や有機溶剤と接着成分(酢酸ビニル樹脂など)を混ざり合わせてできているのですが、お米と同じく水や溶剤が乾き、接着成分が残ってくっつけることができるものとなっています。
乾いてくっつく接着剤の特徴
くっつく仕組みの図を見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この接着剤には2つの特徴があります。それが固まると縮むことと接着剤が乾かないとくっつかないことです。
・固まると縮む
瞬間接着剤なども多少は縮みますが、水分(溶剤)が抜けることもあり、それ以上に縮みます。
水性接着剤を使い紙をくっつけた時、しわしわになった経験がある方もいるのではないでしょうか。これは紙が接着剤の水分を吸収しただけでなく、接着剤が固まって縮むことも影響しています。接着成分も紙の中に吸収されて残るため、固まってしまうとのばすのは難しくなります。しわしわになることをおさえるコツとしては接着剤はなるべく少ない量でムラにならないよう薄く塗り広げて貼り合わせてください。薄く塗ることで乾燥も速くなりくっつくスピードも速くなります。
・接着剤が乾かないとくっつかない
水分が抜けられない(吸収しない)素材(金属やプラスチックなど)同士だと接着剤が乾かないのでうまくくっつけられないことがわかります。端が空いているのでそこから蒸発するからくっつけられるのでは?と思われるかもしれません。しかし、蒸発し乾いたところだけ固まり、ふさがれた状態になります。ですので、中は固まらないためくっつけることはできません。
逆に言えば片方だけでも水分を吸収する素材であれば、もう片方は水分を吸収しない素材であってもくっつけることができるということになります。下の写真は水分を吸収する木材と吸収しないプラスチックを速乾アクリア(水性接着剤)でくっつけました。
接着剤の接着力やくっつけるものによってできない場合もあるので試してからお使いください。